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premium更新日:2026年9月18日(投稿日:2026年9月18日

【第4回】VTuberの配信アーカイブにタイムスタンプは付けるべき?169,414本を調査

VTuber界隈でたびたび話題になるのが、

「配信アーカイブにタイムスタンプは付けたほうがいいのか?」

という問題です。

「視聴者には便利そう」

「でも毎回付けるのは面倒」

「本当に再生数に違いがあるの?」

実際のところどうなのか。

今回は、2PLAYが追跡している日本のVTuber419人、ライブ配信169,414本を調査しました。

結論から言うと、タイムスタンプがある配信と、ない配信では再生数に差がありました。

ただし、単純に「タイムスタンプあり・なし」の配信を比べるだけでは正確ではありません。

タイムスタンプを付けているVTuberのほうが、もともと登録者が多い可能性があるからです。

そこで今回は、同じVTuber本人が出した配信の中で、タイムスタンプあり・なしを比較しました。


タイムスタンプありの配信は再生数が多い

まず169,414本すべてを比較すると、タイムスタンプありの配信のほうが再生数は多くなっています。

[fig a4-ch1-overall]

タイムスタンプありタイムスタンプなし
配信本数6,848本162,573本
再生数※2,8451,185
配信時間中央値188分156分
登録者中央値26,650人18,600人

※再生数の上位25%・下位25%を除いた中央50%の平均

かなり大きな差があります。

しかし、この数字をそのまま「タイムスタンプの効果」と考えることはできません。

タイムスタンプありの配信を出しているVTuberは、登録者中央値が26,650人。

なしの配信側は18,600人です。

さらに、配信時間も188分と156分で違います。

もともとのチャンネル規模や配信時間が違うためです。

では、同じVTuber本人の中で比べるとどうなるのでしょうか。


結論:同じVTuberでもタイムスタンプありは1.27倍再生されていた

タイムスタンプあり・なしの配信を、それぞれ3本以上出しているVTuber127人を比較しました。

対象となったライブ配信は60,805本です。


[fig a4-ch2-band]

各VTuberについて、

「タイムスタンプありの再生数中央値 ÷ なしの再生数中央値」

を計算したところ、その中央値は、

1.27倍

でした。

つまり、

同じVTuber本人が出した配信でも、タイムスタンプを付けた配信は、付けていない配信の約1.3倍再生されていました。

同じ人物の中で比較しているため、チャンネル登録者数そのものの違いによる影響を排した比較です。

今回の調査では、最も重視したい数字です。

登録者規模ごとに比較してもすべて1倍を超えた

さらに、127人を登録者規模ごとに分けて比較しました。

1.0倍を超えていれば、同じVTuber本人でもタイムスタンプを付けた配信のほうが再生数が高かったことを意味します。

登録者規模対象VTuber数本人比(あり÷なし)
全体1271.27倍
〜1万441.37倍
1万〜5万591.20倍
5万〜10万141.27倍
10万以上101.42倍

すべての登録者規模で1.0倍を超えています。

登録者1万人以下では1.37倍、10万人以上では1.42倍でした。

つまり今回のデータでは、一部の大手VTuberだけに見られる傾向ではなく、チャンネル規模を問わずタイムスタンプありの配信のほうが再生数が高い傾向が確認できました。

ただし、この記事で確認できるのはあくまで相関です。

「タイムスタンプを付けたから再生数が増えた」ことを証明したデータではありません。


登録者が多いVTuberほどタイムスタンプを使っている

もう一つ、はっきりした傾向があります。

登録者が多いVTuberほど、タイムスタンプを利用しています。

一度でもタイムスタンプを付けたことがあるVTuberの割合を見ると、

[fig a4-ch3-adopt]

登録者数タイムスタンプ経験者
〜5,000人25.0%
5,001〜10,000人42.3%
10,001〜30,000人40.3%
30,001〜100,000人47.1%
100,001人〜70.0%

登録者5,000人以下では4人に1人。

一方、登録者10万人を超えるVTuberでは7割が一度はタイムスタンプを使っています。

動画単位で見ても、

  • 5,000人以下:2.37%
  • 10万人以上:7.45%

と差があります。

ただし、これも「タイムスタンプを付けたから登録者が増えた」という意味ではありません。


それでも96%の配信にタイムスタンプがない

ここが今回、一番意外だったポイントです。

169,414本のライブ配信のうち、タイムスタンプが付いていたのは6,848本。

わずか4.0%です。

つまり、約96%の配信にはタイムスタンプがありません。

419人のVTuber単位で見ても、252人は一度もタイムスタンプを付けていません。

さらに、利用率が増えているわけでもありません。

[fig a4-ch4-year]

タイムスタンプあり割合
2022年6.8%
2023年4.8%
2024年3.8%
2025年3.8%
2026年4.1%

2022年の6.8%をピークに、その後は4%前後で推移しています。

便利な機能として定着しているように見えて、実際にはほとんど使われていません。


特に雑談とゲーム配信はほとんど付いていない

枠タイプ別に見ると、さらに差があります。


[fig a4-ch5-genre]

枠タイプタイムスタンプあり割合
ASMR8.1%
同時視聴7.2%
歌枠6.0%
ゲーム枠4.4%
雑談1.7%

歌枠ではセットリスト、ASMRではトリガー一覧を書く文化があるため、比較的タイムスタンプが使われています。

一方で、雑談はわずか1.7%。ゲーム配信も4.4%です。

しかもゲーム枠と雑談だけで、今回調査したライブ配信の83%を占めています。

つまり、タイムスタンプがほとんど使われていないのは、VTuber配信の中心であるゲームと雑談です。


タイムスタンプは5分でできる

タイムスタンプを完璧に作る必要はありません。

今回の調査では、

  1. 概要欄に 0:00 がある
  2. M:SS または H:MM:SS の時刻表記が3つ以上ある

この2つを満たしたものを「タイムスタンプあり」と判定しています。

例えば、

0:00 オープニング
12:35 ゲーム開始
1:24:18 ボス戦

この程度でも構いません。

配信終了後に、大きな場面を3〜5個だけ書く。

まずはそこからで十分です。

前回の記事では、ゲーム配信は2時間半以上の配信で数字が高くなる傾向を紹介しました。

長いアーカイブほど、視聴者は見たい場所を探す必要があります。

一方で、今回のデータでは120分以内の配信でもタイムスタンプあり・なしの差が出ており、むしろ倍率は短い配信のほうが大きくなっています。

そのため、

「長時間配信だけタイムスタンプを付ければいい」

とも言えません。


まとめ:タイムスタンプは付けたほうがいいのか?

今回の169,414本の調査では、

同じVTuber本人の中で比べても、タイムスタンプありの配信は1.27倍再生されていました。

さらに登録者規模ごとに分けても、1万人以下から10万人以上まですべての層で、タイムスタンプありの配信のほうが再生数が高い傾向でした。

一方で、全配信の約96%にはタイムスタンプがありません。

タイムスタンプを付ける作業は多少手間がかかります。

それでも、

「配信終了後に5分だけ使ってタイムスタンプを付ける」

のであれば、今回のデータを見る限り、試してみる価値は十分にあるでしょう。

特に、まだほとんど使われていないゲーム配信・雑談配信から始めてみるのがおすすめです。

この記事の集計について

対象は2PLAYが追跡している日本のVTuber419人、ライブ配信169,414本(2018年4月〜2026年9月)です。

タイムスタンプは、概要欄に 0:00 があり、かつ時刻表記が3つ以上ある配信を「あり」と判定しています。

登録者数は現在の値であり、過去の配信時点の登録者数ではありません。

また、この記事で示しているのは相関であり、タイムスタンプを付けることで再生数が増えるという因果関係を証明したものではありません。


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