【第3回】VTuberの配信は何時間やるべき?配信時間と同接・再生数を徹底調査
「1回の配信は何時間くらいやればいい?」
「1時間でも十分?それとも2〜3時間は必要?」
「長時間配信をしたほうが同接や再生数は伸びる?」
VTuberとしてライブ配信をしていると、1回の配信を何時間やるべきかは悩みやすいポイントです。
そこで今回は、実際のVTuberのライブ配信データをもとに、配信時間によって最高同接・平均同接・再生数がどのように変わるのかを調査しました。
特に今回は、「登録者が多い人ほど長時間配信をしている」という単純な比較にならないよう、同じVTuber本人の普段の配信と比較しています。
その結果、ゲーム配信では非常に分かりやすい傾向が確認できました。
ゲーム配信では、1時間程度の短い配信より、2時間半以上の配信のほうが同接・再生数ともに高く、6時間を超えても今回のデータでは頭打ちになっていません。
一方で、歌枠やASMRなどでは適した配信時間が大きく異なります。
今回は「配信は何時間やるべきなのか」を、配信内容ごとに詳しく見ていきます。
調査データについて
今回の調査では、主にYouTubeで活動する日本のVTuberのライブ配信データを使用しています。
特に注意したのが、配信者ごとの規模の違いです。
単純に「1時間配信した人」と「6時間配信した人」を比較すると、もともとの登録者数や視聴者数が違うため、正確な比較ができません。
そこで今回は、一定数以上の配信データがあるVTuberについて、そのVTuber本人の平均値を100として、それぞれの配信が普段と比べてどの程度だったのかを指数化しました。
例えば平均同接が普段100人のVTuberなら、平均同接120人だった配信は「120」として扱います。
平均同接が普段1,000人のVTuberでも、1,200人なら同じく「120」です。
これによって、チャンネル規模の違いによる影響をできるだけ小さくしています。
なお、今回の調査も因果関係を証明するものではありません。
「長時間配信をしたから同接が増えた」のか、「その日の配信が盛り上がったから長時間になった」のかまでは、このデータだけでは判断できません。
あくまで、同じVTuberの中で、短いゲーム配信と長いゲーム配信では実際の数字にどのような違いがあったのかを調べた結果としてご覧ください。
結論:ゲーム配信なら何時間やるべき?
先に結論から紹介します。
今回のデータからゲーム配信について考えるなら、まず2時間半程度を一つの目安にすることをおすすめします。
1時間以内で終わるゲーム配信は、本人の普段の配信と比較して、
- 平均同接:76.5
- 再生数:56.4
まで低下していました。
一方、150〜180分、つまり2時間30分〜3時間になると、平均同接102.0、再生数95.8となり、ほぼ本人の通常水準に到達します。
さらに4時間、5時間、6時間と長くなるにつれて数字は上昇し、6時間以上でも今回のデータでは頭打ちになっていません。
ただし、これはあくまでゲーム配信についての結果です。
歌枠やASMR、コラボなどに、そのまま「2時間半以上やるべき」と当てはめることはできません。
詳しく見ていきましょう。
ゲーム配信は長くなるほど同接・再生数が高くなる
まずは今回もっとも重要なデータです。
ゲーム配信だけを対象にし、リレー配信やコラボ配信を除外して、配信時間別に数字を比較しました。
[fig a3-ch1-main]
本人の普段の配信=100
| 配信時間 | 本数 | 人数 | 最高同接 | 平均同接 | 再生数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 〜60分 | 81 | 57 | 73.6 | 76.5 | 56.4 |
| 60〜90分 | 244 | 118 | 86.9 | 88.7 | 70.8 |
| 90〜120分 | 540 | 186 | 85.2 | 89.0 | 75.6 |
| 120〜150分 | 809 | 200 | 92.1 | 94.1 | 82.0 |
| 150〜180分 | 691 | 207 | 101.3 | 102.0 | 95.8 |
| 180〜240分 | 1,412 | 240 | 97.4 | 98.9 | 93.0 |
| 240〜300分 | 909 | 204 | 101.3 | 100.8 | 103.2 |
| 300〜360分 | 634 | 176 | 107.4 | 105.6 | 109.1 |
| 360分〜 | 1,071 | 158 | 115.5 | 110.5 | 138.5 |
※各VTuber本人の平均値を100として指数化。再生数についてはYouTube側の集計仕様変更の影響を避けるため、2026年7月8日〜8月23日のデータのみを使用しています。
かなり分かりやすい結果です。
ゲーム配信では、配信時間が長いほど平均同接・再生数ともに高くなる傾向が確認できます。
1時間以内のゲーム配信は数字が低い
特に大きな差が出ているのが、1時間以内のゲーム配信です。
本人の平均を100とすると、
平均同接は76.5
再生数は56.4
でした。
つまり同じVTuber本人の普段の配信と比較しても、1時間以内のゲーム配信は平均同接が約24%低く、再生数は4割以上低いという結果です。
1時間程度で終わるゲーム配信は、今回のデータでは明確に低い数字となっています。
ただし、この区分は81本・57人と他の時間帯よりデータ数が少ないため、今後データが増えることで数字が変化する可能性があります。
2時間半を超えると本人の平均に到達する
一つの分岐点となっているのが、150分です。
150〜180分、つまり2時間30分〜3時間のゲーム配信では、
- 最高同接:101.3
- 平均同接:102.0
- 再生数:95.8
となっています。
本人の平均が100なので、2時間半前後から普段の配信とほぼ同じ水準まで到達しています。
そのため、
ゲーム配信を何時間やればいいか分からない
という初心者VTuberであれば、まずは2時間半前後を一つの目安として考えてみてもよいでしょう。
もちろん「2時間29分ではダメで、2時間30分を超えれば伸びる」という意味ではありません。
あくまで今回の集計では、2時間半前後を境に本人の平均水準へ到達しているという意味です。
3時間、4時間と長くしても意味はある?
「2時間半で十分なら、それ以上やっても意味がないのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、今回のデータではそうなっていません。
4〜5時間では再生数103.2。
5〜6時間では109.1。
そして6時間を超えるゲーム配信では、
最高同接:115.5
平均同接:110.5
再生数:138.5
となっています。
今回調査した範囲では、6時間を超えても数字が頭打ちになる現象は確認できませんでした。
特に再生数については、本人の平均より38.5%高くなっています。
「6時間配信すれば38.5%伸びる」という意味ではない
ここは非常に重要です。
このデータだけを見て、
「ゲーム配信を6時間やれば再生数が38.5%増える」
とは言えません。
例えば、盛り上がっているゲームだから予定より長く配信した可能性があります。
視聴者が集まっているため、配信者自身が「今日はもう少し続けよう」と判断した可能性もあります。
つまり、
長時間配信だから数字が高くなった
のではなく、
数字が良かった配信だから結果的に長時間になった
可能性も残っています。
今回の分析では同じVTuber本人の中で比較しているため、登録者数など「人による違い」はある程度取り除いています。
しかし、その日の配信内容や盛り上がり方の違いまでは取り除けません。
したがって、「長時間配信をすれば必ず伸びる」ではなく、
ゲーム配信では、短時間で終了した配信よりも、長く続いた配信のほうが実際に同接・再生数とも高かった
と理解してください。
なぜゲーム配信は長いほど数字が高くなる?
今回のデータだけでは原因までは特定できません。
ただし、配信時間が長くなることで、視聴者との接点が増えることは考えられます。
例えば3時間配信していれば、
「配信開始時には仕事中だった」
「夕食を食べていた」
「別の配信を見ていた」
という人でも、途中から配信を見つけられます。
1時間で終了してしまえば、その1時間にYouTubeを見ていなかった人には配信を見てもらえません。
また、ゲーム配信はプレイの進行によって、
- ボス戦
- ストーリーの山場
- 面白いハプニング
- リアクションが生まれる場面
などが配信中に発生します。
配信時間が長ければ、それだけさまざまな場面が生まれる可能性もあります。
ただし、これらは今回のデータから直接証明されたものではありません。
今回確認できた事実は、同じVTuber本人のゲーム配信を比較した場合、長時間の配信ほど同接・再生数が高い傾向があったというところまでです。
「配信は長いほどいい」はゲーム配信だけ
ここまで読むと、
「それなら全部の配信を3時間、4時間やればいい」
と思うかもしれません。
しかし、ここには大きな落とし穴があります。
配信内容によって、実際に行われている配信時間は大きく異なります。
[fig a3-ch5-genre]
| 配信時間 | ゲーム枠 | 雑談 | 歌枠 | ASMR | リレー・コラボ |
|---|---|---|---|---|---|
| 〜60分 | 105 | 224 | 260 | 37 | 225 |
| 60〜90分 | 284 | 521 | 199 | 113 | 42 |
| 90〜120分 | 635 | 465 | 250 | 38 | 44 |
| 120〜150分 | 928 | 522 | 332 | 69 | 51 |
| 150〜180分 | 767 | 302 | 163 | 8 | 26 |
| 180〜240分 | 1,487 | 335 | 179 | 16 | 22 |
| 240〜300分 | 954 | 110 | 44 | 1 | 6 |
| 300〜360分 | 659 | 49 | 13 | 1 | 4 |
| 360分〜 | 1,118 | 33 | 21 | 1 | 6 |
配信内容によって、分布がまったく違います。
歌枠は1時間以内が最も多い
歌枠では、1時間以内の配信が260本で最も多くなっています。
ゲーム配信とはまったく違う分布です。
歌枠は「何曲歌うか」「セットリストをどう組むか」といった形で、配信そのものが一つのコンテンツとして完結しやすい特徴があります。
そのため、ゲーム配信で見られた、
「2時間半以上を目安にする」
という考え方を、そのまま歌枠へ当てはめる必要はありません。
ASMRは60〜90分が中心
ASMRはさらに特徴的です。
最も多かったのは60〜90分で113本。
150分を超える配信は非常に少なく、4時間を超えるものはほとんどありません。
つまり、ASMRについても、
「長時間にしたほうがいい」
というゲーム配信の結果をそのまま使うことはできません。
雑談配信は1〜2時間半程度が中心
雑談配信では、
- 60〜90分:521本
- 90〜120分:465本
- 120〜150分:522本
となっており、1時間〜2時間半程度に多く集まっています。
3時間を超えると本数が大きく減っています。
雑談についてもゲーム配信ほど長時間化していません。
リレー・コラボは1時間以内が多い
リレー配信やコラボ企画では、1時間以内が225本と多くなっています。
特にリレー企画では「1人1時間」のように時間が最初から決められているケースがあります。
また、コラボや企画は通常配信とは違い、
「その企画自体を見たい人が決まった時間に集まる」
という特徴があります。
そのため、短時間でも多くの視聴者が集まるケースがあります。
短い配信でも同接が高い理由
実は、ゲーム・雑談・歌枠・ASMR・コラボなどをすべてまとめて集計すると、不思議な結果になります。
30分以内の短い配信のほうが同接が高いのです。
本人の平均を100とすると、30分以内では平均同接150.8。
一見すると、
「短時間配信のほうが圧倒的に強い」
ように見えます。
しかし実際の配信タイトルまで確認すると、この短時間配信には、
- ASMR
- 歌枠
- リレー企画
- コラボ
- プロジェクト発表
などが大量に含まれていました。
つまり、
短いから人が集まったのではなく、もともと短時間で完結する企画性の高い配信に人が集まっていた
という可能性が高いのです。
このように、配信時間を分析するときは配信内容を分けて考えることが非常に重要です。
初心者VTuberは結局何時間配信すればいい?
今回の調査結果を初心者向けに整理すると、配信内容によって目安を変えることをおすすめします。
ゲーム配信:まずは2時間半前後を目安に
ゲーム配信については、今回もっとも明確な傾向が出ました。
1時間以内では本人の普段の配信より数字が低く、2時間半前後から平均水準に到達しています。
そのため、体力やスケジュールに問題がなければ、
1回2時間半程度
を最初の目安として考えてみてもよいでしょう。
ただし、無理に6時間配信をする必要はありません。
長時間配信で数字が高かったことと、長時間配信をすれば数字が上がることは同じではないからです。
雑談配信:1〜2時間半程度
実際のVTuberの配信では、雑談枠は60〜150分に集中しています。
そのため、まずは1〜2時間程度から始め、自分の話せる量や視聴者の反応に合わせて調整するとよいでしょう。
歌枠:1時間前後でも問題なし
歌枠では1時間以内の配信が最も多くなっています。
そのため、
「1時間しかできないから短すぎる」
と考える必要はありません。
ゲーム配信とは別のコンテンツとして考えましょう。
ASMR:60〜90分が中心
ASMRは60〜90分に集中しています。
長時間化している配信は少ないため、こちらもゲーム配信と同じ基準で考える必要はありません。
配信時間は「長ければ長いほど正義」ではない
今回のゲーム配信データでは、6時間以上になっても同接・再生数は頭打ちになっていませんでした。
しかし、
「それなら毎日6時間配信しよう」
という結論にはなりません。
配信時間を増やせば、その分だけ、
- ショート動画の制作
- サムネイル制作
- SNS運用
- 企画準備
- 睡眠
- 休養
などに使える時間は減ります。
第1回の記事でも、5,000〜1万人で伸びているVTuberは、ライブ配信だけではなくショート動画も継続して投稿していました。
重要なのは、1回の配信だけを最大化することではなく、VTuber活動全体として継続できる配分を考えることです。
6時間配信を1回して疲れて数日活動できなくなるより、2〜3時間の配信を継続できるのであれば、後者のほうが現実的な場合もあります。
まとめ:配信は何時間やるべき?
今回の調査から分かったポイントを3つにまとめます。
1.ゲーム配信は2時間半前後を一つの目安にする
ゲーム配信では、1時間以内の配信は本人の普段の配信と比較して、平均同接76.5、再生数56.4でした。
一方、2時間半〜3時間では平均同接102.0、再生数95.8まで上昇しています。
ゲーム配信を何時間やればいいか迷っているなら、まずは2時間半前後を一つの目安にしてみましょう。
2.長時間ゲーム配信は6時間を超えても頭打ちしていない
今回のデータでは、ゲーム配信は4時間、5時間と長くなっても数字が低下せず、6時間以上では平均同接110.5、再生数138.5となりました。
ただし、長時間にすれば数字が上がるという因果関係を証明したものではありません。
無理に配信時間を引き延ばすのではなく、自分が継続できる活動量とのバランスを考えましょう。
3.配信内容によって「適切な長さ」はまったく違う
今回もっとも注意したいポイントです。
「2時間半以上」という目安はゲーム配信についての話です。
歌枠は1時間以内、ASMRは60〜90分、雑談は60〜150分に多く集まっています。
そのため、
「VTuberの配信は○時間が正解」ではなく、「何を配信するかによって適した長さが違う」
と考える必要があります。
ゲーム配信なら、まず2時間半前後。
歌枠やASMRなら、1時間前後でも問題ありません。
配信時間を決めるときは、「長いほうがいいか」ではなく、「その配信内容に必要な時間はどのくらいか」から考えてみましょう。
[fig a3-ch0-answer]
この記事の集計について
この記事の数字は、2PLAYが追跡している日本のVTuberのライブ配信データから集計しました。
同じVTuber本人の中で比較しています
登録者数の多いVTuberほど長時間配信をしている可能性があるため、単純に配信者同士を比較していません。
一定数以上の配信データがあるVTuberについて、本人の平均を100として、それぞれの配信の最高同接・平均同接・再生数を指数化しています。
これによって、「登録者が多いから同接も高い」というチャンネル規模による影響をできるだけ抑えています。
因果関係ではありません
今回のデータから、
「配信時間を長くすれば同接や再生数が増える」
と断定することはできません。
盛り上がったため配信時間が長くなった可能性などもあります。
同じVTuber本人の中で比較することで「人の違い」はある程度取り除いていますが、ゲームタイトルや企画内容、その日の盛り上がりなどの違いは残っています。
再生数は集計期間を限定しています
YouTubeの再生数については、2026年8月26日から27日にかけて集計方法が変化した可能性があり、日別の中央値にも大きな段差が確認されています。
そのため、今回の再生数比較では仕様変更をまたがないよう、2026年7月8日〜8月23日のデータのみを使用しています。
平均同接・最高同接については、この変更の影響を受けないため、2026年7月8日〜9月17日のデータを使用しています。
データは今後も更新します
今回の集計期間は約2ヶ月です。
そのため、ゲームの発売時期や季節などによる影響までは確認できていません。
2PLAYでは今後も継続してデータを追跡し、データが増えた段階で改めて検証していきます。
